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不動産/借地借家/マンション賃貸トラブル相談|多湖・岩田・田村法律事務所
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会社倒産手続(法人破産)
*本項は一般的な解決手順・費用を簡略的に紹介したものです。事案に応じ解決手順・費用は異なりますので,その都度ご相談下さい。尚,本稿は東京地裁民事20部(破産部)の運用(平成31年3月時点)を前提としておりますので,他の裁判所へ破産申立を行う場合はプロセスが大きく異なる場合があります。
【事例】
建築業を営む資本金1000万円,従業員10人のA株式会社が業績悪化により,下請けへの支払いが滞り,3000万円の負債を抱えているケース。

【資産調査】
まず,弁護士が会社の経理担当の方等より事情聴取の上,確定申告書(決算書・貸借対照表含む)と照合しながら,会社の資産額(債権額)及び負債額(債務額)を調査致します(尚,個人の自己破産の場合のように各会社債権者に対する「受任通知書」は原則として送付しません)。
【手続選択】
資産調査の結果,債務超過であることが明らかな場合で,通常清算手続または特別清算手続をしても清算事務を完了させることが困難な場合,清算人には破産申立義務があるとされています(会社法484条1項参照)。従って,このような場合,解散・清算手続を経た上で破産申立に移行するのではなく,当初から破産申立をするのが通例です。

なお,通常清算手続中にはじめて債務超過が判明したときは,まずは特別清算手続の申立をすれば足りますが(会社法511条2項),特別清算手続によっても清算事務を完了し得る見込みが絶対にない場合には,やはりこの時点で破産申立義務があると解されています(落合誠一編『会社法コンメンタール12』商事法務・199頁)。
これに対し,資産調査の結果債務超過ではないものの今後業績の悪化が予想される場合,通常清算手続に進みます(但し,この場合でも,税務上の観点から,裁判所の監督の下で行う「特別清算」(会社法510条以下)の手続で行う方が適切なケースもありますので,この段階で,最善の手続につき担当弁護士とよく話し合って頂く必要があります)。
会社倒産手続(通常清算)
【取締役会決議】【取締役の同意】
会社が自ら破産を申し立てる場合には,破産申立をすることにつき取締役会決議(原則として過半数の同意で可)を経て当該取締役会議事録を作成するか,または全取締役の同意を得た上で,「全取締役の同意書」(取締役が複数いる場合は全取締役の同意が必要であり,代表取締役の同意のみでは不可)を作成する必要があります。
例えば5人の取締役がいる場合にそのうち2名のみ破産に賛成(3名は破産に反対)の場合,取締役会決議も全取締役の同意書も作成できないため,当該賛成取締役自身でいわゆる「準自己破産手続」を申し立てる必要があります。
準自己破産申立の場合,引継予納金の金額は事案により大きく異なり,会社自身が申立人となる「法人自己破産」よりも相当程度高額(1.5〜2倍)になるのが通常です(司法協会『破産事件における書記官事務の研究』15頁)。
【法人破産申立】
作成した取締役会議事録または全取締役の同意書に,商業登記簿謄本(現在事項全部証明書/発行後3か月以内),資産目録,等を添付し弁護士が裁判所に持参提出します。尚,個人の自己破産の場合と異なり,過去2年分の預金通帳については裁判所には提出する必要はありませんが,破産開始決定後に破産管財人には送付するのが通常です(法人名義の口座は残高に拘わらず原則として全て解約され,残金は破産財団に組み込まれます)。
*管轄について
かつて東京地裁では,東京に限らず日本国内所在法人であれば,広く東京地裁での破産申立を受け付けていましたが,平成27年5月1日以降は,次のいずれかに該当する場合以外は,原則として東京地裁での破産申立を認めない運用に変わっておりますのでご注意下さい。
(1)商業登記簿上の本店所在地が東京にある場合
(2)大規模事件の場合(破産債権者の数が500人以上かつ東京高裁管内の場合や破産債権者の数が1000人以上の場合。破産法5条8項,9項)
(3)関連事件の管轄がある場合(親会社の破産手続が東京地裁に係属中である場合や会社と代表者個人が同時に破産申立する場合に代表者の住所地が東京にある場合等。破産法5条3項,6項後段)
(4)営業活動の拠点が東京にある場合(実際の営業活動場所が東京の場合,主要取引先や債権者の半数以上が東京所在の場合)
【即日面接】
東京地裁では,平日の午前9時15分〜11時30分,午後1時〜2時までの間に破産申立書を提出すれば,その場で裁判官と弁護士とで「即日面接」が行われ(代表取締役等の出頭は不要),弁護士より担当裁判官に会社資産状況の概要を説明します。
裁判所は,即日面接当時に破産管財人を選任の上,即日面接翌週の水曜日の午後5時付けで破産開始決定を出します。
尚,個人の自己破産の場合と異なり,法人の破産申立では,全件につき破産管財人が選任されますので,引継予納金として最低でも20万円の費用を破産管財人に支払う必要があります。
また,債権者数が300社を超えるような場合,負債総額が数十億円以上と極めて多額の場合,債権者集会の混乱が予想されるような場合等は,いわゆる「特定管財事件」として,裁判所より,20万円を超える引継予納金を求められることがしばしばありますので注意が必要です。
【債権者集会】
東京地裁では,破産申立から2〜3か月後に債権者集会が行われ,そこで,財産状況等の報告が行われ,破産管財人による回収額(破産財団収集額)が,40万円以下の場合は,特に問題ない限り,同日付けで「破産手続廃止決定」が出され,破産手続は終結します。
他方,破産財団収集額が40万円を超える場合には,通常は,各債権者への配当手続が行われ,その後「破産手続終結決定」が出されます。
「破産手続廃止決定」の場合は決定日から約2か月後,「破産手続終結決定」の場合は決定日から約1週間後に当該会社の商業登記簿は閉鎖され,閉鎖登記簿に移動します(破産の履歴等は「閉鎖事項全部証明書」に記載されます)。

【費用】(平成31年4月版)
弁護士費用50万円(+税)〜
官報公告費用1万4786円(2回分) *平成31年4月掲載分より改定。
貼用印紙代1000円
予納郵券代4100円
引継予納金最低20万円(4分割まで分納可)
【合計】71万9886円(+税)〜


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