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太陽光発電事業用地の売買に宅建業法が適用されるか。
解説 |
1.「宅地」「建物」とは
宅地建物取引業法(通称:宅建業法)は,「宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うもの」に適用されます(宅建業法2条2号)。
そして,同号の「宅地」は,「建物の敷地に供せられる土地」及び「都市計画法8条1項1号の用途地域内の土地」(道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているものを除く)をいいます(同条1号)。
現在建物の敷地に供せられていなくても,建物の敷地に供することが予定されて取引される土地は「宅地」に含まれますので,登記上の地目や現況が山林や原野等であったとしても,例えば,宅地開発を予定して取引される土地は,「宅地」に該当します(【東京高裁昭和46年12月15日判決】)。
また,同号の「建物」は,「建築基準法2条1号にいう建築物がおおむねこれに該当する」と解されているため(明石三郎ほか『詳解 宅地建物取引業法 改訂版』[1995年]31頁),基本的には,建築基準法2条1号の「建築物」(「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設」)は,宅建業法上の「建物」に該当します。
【宅建業法2条】
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
一 宅地 建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。
二 宅地建物取引業 宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行うものをいう。
三 以下省略
【都市計画法8条1項】
都市計画区域については、都市計画に、次に掲げる地域、地区又は街区を定めることができる。
一 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域又は工業専用地域(以下「用途地域」と総称する。)
二 以下省略
【建築基準法2条】
この法律において次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 建築物 土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの(これに類する構造のものを含む。)、これに附属する門若しくは塀、観覧のための工作物又は地下若しくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫その他これらに類する施設(鉄道及び軌道の線路敷地内の運転保安に関する施設並びに跨こ線橋、プラットホームの上家、貯蔵槽その他これらに類する施設を除く。)をいい、建築設備を含むものとする。
二 以下省略
【東京高裁昭和46年12月15日判決】
現況宅地に限らず広く建物の敷地に供する目的で取引の対象とされた土地についても、本法【※宅地建物取引業法】にいう宅地としてその取引につき本法による規制を加えるべき合理性および必要性の存在を肯定できる。
※【 】内は筆者加筆。
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2.太陽光発電設備の「建物」該当性
土地に自立して設置する太陽光発電設備は、太陽光発電設備自体のメンテナンスを除いて架台下の空間に人が立ち入らないものであって、かつ、架台下の空間を居住、執務、作業、集会、娯楽、物品の保管又は格納その他の屋内的用途に供しないものは、建築基準法2条1号の「建築物」に該当しないと解されています(平成23年3月25日国住指第4936号「太陽光発電設備等に係る建築基準法の取扱いについて」第2)。
そして,前記1で述べたとおり,宅建業法上の「建物」と建築基準法上の「建築物」は基本的にはおおむね一致するため,土地に自立して設置された通常の太陽光発電設備は,宅建業法2条1号の「建物」にも該当しません。
よって,当該太陽光発電設備の事業用地の売買は,同号の「宅地」(「建物の敷地に供せられる土地」)の売買に該当せず,都市計画法8条1項1号の用途地域に該当しない限り,宅建業法の適用はありません。
この点,宅建業法に基づく説明義務違反を問われた事案で,【東京地裁令和3年3月18日判決】も,「地権者契約は,小型風力発電事業用地の確保に関する契約であって,宅地若しくは建物に関する契約ではないから,宅地建物取引業法の適用はない」と判示しています。
上記裁判例は,「地権者契約」(地上権設定契約)に関するもので,土地売買契約とは異なりますが,「宅地建物取引業法の適用はない」ことの根拠として,「宅地若しくは建物に関する契約ではない」ことを挙げていることから, 小型風力発電事業用地が「宅地」に該当しないことを前提とする判断であると解されます。
なお,上記は,「小型風力発電事業用地」に関するものですが,「太陽光発電事業用地」にも妥当すると考えられます。
【東京地裁令和3年3月18日判決】
原告らは,被告が宅地建物取引業法に基づく説明をしていない旨,主張するが,地権者契約は,小型風力発電事業用地の確保に関する契約であって,宅地若しくは建物に関する契約ではないから,宅地建物取引業法の適用はなく,原告らの主張は失当である。
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結論 |
以上より,太陽光発電事業用地は宅建業法2条1号の「宅地」には該当しないため,都市計画法8条1号の用途地域に該当しない限り,その売買取引には,宅建業法は適用されません。
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実務上の注意点 |
3.宅地造成等規制法上の「宅地」
宅地造成等規制法8条1項本文では,「宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない」とされています。
宅地造成等規制法上の「宅地」は,宅建業法2条1号の「宅地」よりも広い概念で,原則的には「農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川」以外の土地は全て含まれますので(同法2条1号),太陽光発電用地も(宅建業法上の「宅地」には該当しなくても),宅地造成等規制法上の「宅地」には含まれることになります。
また,「宅地造成」とは,宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるもの(宅地を宅地以外の土地にするために行うものを除く。)をいいますので(同法2条2号),例えば「宅地以外」(山林等)の土地をその用途を維持したまま土地の形質のみ変更する場合は,宅地造成に該当せず,宅地造成等規制法の規制対象とはなりません(【広島高裁平成25年12月19日判決】)。
なお,上記「政令で定めるもの」は,宅地造成等規制法施行令3条で,切土後の土地に高さ2メートルを超える崖を生ずる場合,盛土後の土地に高さ1メートルを超える崖を生ずる場合,切土又は盛土をする土地の面積が500平方メートルを超える場合等が定めれています(⇒形質の変更(宅地造成等規制法施行令3条)の具体例)。
さらに,「宅地造成」(土地の形質の変更)を伴わない場合でも,宅地以外の土地を宅地に転用(用途変更)した場合は,その転用した日から14日以内に都道府県知事への届出が必要になります(宅地造成等規制法15条3項)。
例えば,「森林」(=「宅地以外の土地」)を造成工事はせずに(よって宅地造成等規制法8条1項の「許可」は不要),土地上の樹木のみを伐採し,その上に太陽光発電設備を設置し,太陽光発電用地(=宅地造成等規制法上の「宅地」)として利用(転用)する場合などがこれに当たります。
もっとも,「宅地造成」や「転用」に該当しても,宅造許可や転用届出を要するのは,「宅地造成工事規制区域内」において行われる場合ですので(宅地造成等規制法8条1項,同法15条3項),宅地造成工事規制区域外であれば,宅地造成許可は不要となります。
そこで,多湖・岩田・田村法律事務所では,太陽光発電事業用地を取得する際には,当該土地が,宅地造成工事規制区域内か否かについても事前に確認するよう助言しています。
また,仮に宅地造成等規制法上の宅造許可や転用届出が不要であっても,例えばその土地が「地域森林計画の対象となつている民有林」に該当する場合には,別途,森林法に基づく開発行為の許可(森林法10条の2)や伐採届及び伐採後の造林届(同法10条の8)等の手続が必要になる場合がありますので,これらの点もあわせて確認しておく必要があります。
【宅地造成等規制法2条】
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 宅地 農地、採草放牧地及び森林並びに道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供されている土地以外の土地をいう。
二 宅地造成 宅地以外の土地を宅地にするため又は宅地において行う土地の形質の変更で政令で定めるもの(宅地を宅地以外の土地にするために行うものを除く。)をいう。
三 以下省略
【宅地造成等規制法8条1項】
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成に関する工事については、造成主は、当該工事に着手する前に、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第二十九条第一項又は第二項の許可を受けて行われる当該許可の内容(同法第三十五条の二第五項の規定によりその内容とみなされるものを含む。)に適合した宅地造成に関する工事については、この限りでない。
【宅地造成等規制法15条3項】
宅地造成工事規制区域内において、宅地以外の土地を宅地に転用した者(第八条第一項本文若しくは第十二条第一項の許可を受け、又は同条第二項の規定による届出をした者を除く。)は、その転用した日から十四日以内に、国土交通省令で定めるところにより、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
【宅地造成等規制法施行令3条】
法第二条第二号の政令で定める土地の形質の変更は、次に掲げるものとする。
一 切土であつて、当該切土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの
二 盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが一メートルを超える崖を生ずることとなるもの
三 切土と盛土とを同時にする場合における盛土であつて、当該盛土をした土地の部分に高さが一メートル以下の崖を生じ、かつ、当該切土及び盛土をした土地の部分に高さが二メートルを超える崖を生ずることとなるもの
四 前三号のいずれにも該当しない切土又は盛土であつて、当該切土又は盛土をする土地の面積が五百平方メートルを超えるもの
【広島高裁平成25年12月19日判決】
本件埋立地は,産業廃棄物処分場とするための造成工事が行われた処分場跡地の上部にある谷地であり,格別の手が加えられておらず,山林内の谷地のまま自然な状態に置かれていたものである。
<中略>
本件埋立地は,標高の高い位置にあり,これに通じる道路は林道が1本あるだけであり,周囲はすべて山林である。
上記状況に照らすと,埋め立てた後の土地の利用目的を想定することは難しく,しいていえば,果樹を植えるなどして農地として利用することが想定される程度であり,これ以外の利用方法をうかがうことはできない。
なお,埋立後,同土地を利用せず放置すれば,時を置かずして,樹木が繁茂する状態に戻ることになるものと推認される。
以上によれば,本件埋立地への建設残土の搬入,埋立ては,Mの意図や客観的状況に照らすと,山林である本件埋立地を農地にするための造成工事ということができ,仮に農地にするとまで認められないとしても,山林である土地の形質の変更としかいえず,少なくとも,山林を宅地にするためのものということはできないというべきである。
<中略>
したがって,本件埋立地への建設残土の搬入,埋立ては,宅地造成等規制法2条2号に定める「宅地造成」に当たるものと認めることはできず,宅地造成等規制法の規制対象にはならないというほかない。
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4.不動産特定共同事業法上の「不動産」
太陽光発電事業等の再生可能エネルギー事業においては,合同会社(Godo Kaisha=略称GK)が匿名組合契約(通称Tokumei Kumiai=略称TK)により出資者から出資を受け,当該出資金により太陽光発電用地及び設備を取得・所有して太陽光発電事業を営み,売電収入等の利益を出資者に分配するという不動産証券化スキーム(通称GK-TKスキーム)が用いられることがしばしばあります。
匿名組合契約とは,出資者たる組合員が,事業者(営業者)のために出資をし,事業者(営業者)が当該事業(営業)から生じる利益を組合員に分配することを約する1対1の契約をいいます(商法535条)。
匿名組合契約に基づき出資対象事業から生ずる収益の配当又は出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利はいわゆる「みなし有価証券」となるため(金融商品取引法2条2項5号),その募集又は私募(取得勧誘行為)は,金融商品取引業のうち「第二種金融商品取引業」に該当し(同法2条8項7号ヘ,28条2項1号),原則として第二種金融商品取引業者としての登録を受ける必要があります(同法29条)。
なお,当該募集又は私募(取得勧誘行為)を自らは行わず,専ら他の第二種金融商品取引業登録業者に委託する場合は,営業者たる合同会社(GK)自身が第二種金融商品取引業の登録を受ける必要はありません(第一東京弁護士会環境保全対策委員会編『再生可能エネルギー法務』[2016年第1版]371頁)。
また,営業者たる合同会社(GK)が他の太陽光発電事業者たる株式会社の株式を取得する場合や太陽光発電事業用地を信託譲渡して信託受益権を取得する場合(信託受益権化する場合)には,当該株式(金商法2条1項9号,2条2項柱書)や信託受益権(同法2条2項1号)はいずれも有価証券に該当し,これに対する投資は有価証券への投資,すなわち投資運用業に該当するため,原則として「投資運用業」としての登録(金商法2条8項15号ハ,28条4項3号,29条)も必要になりますが(第一東京弁護士会環境保全対策委員会編『再生可能エネルギー法務』[2016年第1版]375頁),当該太陽光発電用地・設備を自ら所有して運用する場合には,有価証券への投資ではなく現物資産への投資となるため,投資運用業の登録も不要となります。
もっとも,金融商品取引法上の規制はクリヤしても,合同会社(GK)が,太陽光発電用地を自ら取得・所有する場合は,不動産特定共同事業法の規制対象にならないように注意する必要があります。
すなわち,匿名組合契約が,「当事者の一方が相手方の行う不動産取引のため出資を行い、相手方がその出資された財産により不動産取引を営み、当該不動産取引から生ずる利益の分配を行うことを約する契約」(不動産特定共同事業法2条3項2号「不動産特定共同事業契約」)に該当する場合,「当該不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引から生ずる収益又は利益の分配を行う行為」は同法2条4項1号「不動産特定共同事業」に該当し,原則として不動産特定共同事業法に基づく許可が必要になるなど(同法3条1項),同法の規制対象となります。
しかしながら,不動産特定共同事業法が適用されるのは,「不動産取引から生ずる収益又は利益の分配を行う」場合ですので,逆に言えば,「不動産取引」を行わない限り,同法の規制は及ばないことになります。
この点,不動産特定共同事業法上の「不動産」は,宅地建物取引業法2条1号の宅地又は建物と同義であるところ(不動産特定共同事業法2条1項),用途地域外でかつ建物の敷地に供することが全く予定されていない太陽光発電用地は,上述のとおり宅建業法上の「宅地」に該当しないと考えられるため,当該太陽光発電用地の取得行為(売買,賃貸借)は不動産特定共同事業法の「不動産取引」に該当せず,同法の規制は及ばないと考えられます。
もっとも,「宅地」に該当するか否かは,判断が非常に微妙なケースも多く,また,太陽光発電用地であっても用途地域内にある場合や,登記上の地目が宅地であり将来的に宅地としての利用が予定されているような土地の場合は,「宅地」に該当し,その取引行為(売買,賃貸借)は,不動産特定共同事業法の規制対象となります。
そこで,不動産特定共同事業法の規制を可及的に免れるスキームとして,合同会社(GK)が, 太陽光発電用地の所有権を自ら売買により取得するのではなく,地上権(民法265条)を設定する方法がしばしば利用されています。
すなわち,不動産特定共同事業法上の「不動産取引」とは,「不動産の売買、交換又は賃貸借」をいいますので(不動産特定共同事業法2条2項),地上権の設定行為は,これに含まれず,同法の規制対象にはならないと考えられます(深澤功二『再生可能エネルギーの法と実務』[2013年]201頁)。
また,太陽光事業用地を賃借する場合も,文言上「不動産の賃貸借」には該当しますが,これ自体により収益が生じるものではないため,「不動産取引から生ずる利益の分配」がないものとして,不動産特定共同事業には該当しないと理解されています(第一東京弁護士会環境保全対策委員会編『再生可能エネルギー法務』[2016年第1版]375頁)。
この点については,松本岳人ほか『逐条解説不動産特定共同事業法』[2022年第2版]18頁でも,「太陽光発電事業などにおいても,匿名組合契約に基づいて投資家から受けた出資により土地を借り受ける例が見られる」とした上,「かかる場合についても,当該土地上に太陽光パネル(動産)を設置して発電事業を営むことによる収益のみを投資家に分配する(当該土地を賃貸して収益を上げて,その収益を投資家に分配する行為は行わない)契約とすることにより,法2条3項2号に掲げる契約には該当しないと整理がされている」と記載されています。
ただし,深澤功二『再生可能エネルギーの法と実務』[2013年]201頁以下では,匿名組合出資金が用地の賃料に充当されている場合には「出資された財産により不動産取引を営み」に該当し,当該用地における事業からの利益を分配することは「当該不動産取引から生ずる利益の分配」に当たるとの「解釈も可能である」としており,この解釈からすると,太陽光発電用地の地代(=地上権の対価)や賃料(=賃借の対価)に充当されている場合は,なお不動産特定共同事業法の規制対象になり得ることになります。
そのため,太陽光発電用地の取得対価は匿名組合出資を受けた資金以外の自己資金あるいは借入金で調達し,匿名組合出資を受けた資金は発電設備の設置工事費用にのみ充当するなどの方法を採ることで不動産特定共同事業法の規制対象外とするスキームも提唱されています(深澤功二『再生可能エネルギーの法と実務』[2013年]202頁,第一東京弁護士会環境保全対策委員会編『再生可能エネルギー法務』[2016年第1版]375頁)。
多湖・岩田・田村法律事務所では,上記「太陽光発電用地の取得対価は匿名組合出資を受けた資金以外の自己資金あるいは借入金で調達」したこと及び上記「匿名組合出資を受けた資金は発電設備の設置工事費用にのみ充当」したことを明確化するため,匿名組合契約に先行して用地を取得しておく(用地を取得した後で匿名組合契約を締結して太陽光発電設備の設置工事をする)というスキームも提唱しています。
【商法535条】
匿名組合契約は、当事者の一方が相手方の営業のために出資をし、その営業から生ずる利益を分配することを約することによって、その効力を生ずる。
【金融商品取引法2条】
1 この法律において「有価証券」とは、次に掲げるものをいう。
一~八 省略
九 株券又は新株予約権証券
十 以下省略
2 前項第一号から第十五号までに掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するものを除く。)及び同項第十八号に掲げる有価証券に表示されるべき権利並びに同項第十六号に掲げる有価証券、同項第十七号に掲げる有価証券(同項第十六号に掲げる有価証券の性質を有するものに限る。)及び同項第十九号から第二十一号までに掲げる有価証券であつて内閣府令で定めるものに表示されるべき権利(以下この項及び次項において「有価証券表示権利」と総称する。)は、有価証券表示権利について当該権利を表示する当該有価証券が発行されていない場合においても、当該権利を当該有価証券とみなし、電子記録債権(電子記録債権法(平成十九年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子記録債権をいう。以下この項において同じ。)のうち、流通性その他の事情を勘案し、社債券その他の前項各号に掲げる有価証券とみなすことが必要と認められるものとして政令で定めるもの(第七号及び次項において「特定電子記録債権」という。)は、当該電子記録債権を当該有価証券とみなし、次に掲げる権利は、証券又は証書に表示されるべき権利以外の権利であつても有価証券とみなして、この法律の規定を適用する。
一 信託の受益権(前項第十号に規定する投資信託の受益証券に表示されるべきもの及び同項第十二号から第十四号までに掲げる有価証券に表示されるべきものを除く。)
二~四 省略
五 民法(明治二十九年法律第八十九号)第六百六十七条第一項に規定する組合契約、商法(明治三十二年法律第四十八号)第五百三十五条に規定する匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成十年法律第九十号)第三条第一項に規定する投資事業有限責任組合契約又は有限責任事業組合契約に関する法律(平成十七年法律第四十号)第三条第一項に規定する有限責任事業組合契約に基づく権利、社団法人の社員権その他の権利(外国の法令に基づくものを除く。)のうち、当該権利を有する者(以下この号において「出資者」という。)が出資又は拠出をした金銭(これに類するものとして政令で定めるものを含む。)を充てて行う事業(以下この号において「出資対象事業」という。)から生ずる収益の配当又は当該出資対象事業に係る財産の分配を受けることができる権利であつて、次のいずれにも該当しないもの(前項各号に掲げる有価証券に表示される権利及びこの項(この号を除く。)の規定により有価証券とみなされる権利を除く。)
イ 以下省略
3~7 省略
8 この法律において「金融商品取引業」とは、次に掲げる行為(その内容等を勘案し、投資者の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして政令で定めるもの及び銀行、優先出資法第二条第一項に規定する協同組織金融機関(以下「協同組織金融機関」という。)その他政令で定める金融機関が行う第十二号、第十四号、第十五号又は第二十八条第八項各号に掲げるものを除く。)のいずれかを業として行うことをいう。
一~六 省略
七 有価証券(次に掲げるものに限る。)の募集又は私募
イ~ホ 省略
ヘ 第二項の規定により有価証券とみなされる同項第五号又は第六号に掲げる権利
ト 省略
八~十四 省略
十五 金融商品の価値等の分析に基づく投資判断に基づいて主として有価証券又はデリバティブ取引に係る権利に対する投資として、次に掲げる権利その他政令で定める権利を有する者から出資又は拠出を受けた金銭その他の財産の運用を行うこと(第十二号及び前号に掲げる行為に該当するものを除く。)。
イ~ロ 省略
ハ 第二項第五号又は第六号に掲げる権利
十六 以下省略
9 以下省略
【金融商品取引法28条】
1 省略
2 この章において「第二種金融商品取引業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいう。
一 第二条第八項第七号に掲げる行為
二 以下省略
3 省略
4 この章において「投資運用業」とは、金融商品取引業のうち、次に掲げる行為のいずれかを業として行うことをいい、銀行、協同組織金融機関その他政令で定める金融機関が、当該行為のいずれかを業として行うことを含むものとする。
一~二 省略
三 第二条第八項第十五号に掲げる行為
5 以下省略
【金融商品取引法29条】
金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができない。
【不動産特定共同事業法2条】
1 この法律(第十一章を除く。)において「不動産」とは、宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第一号に掲げる宅地又は建物をいう。
2 この法律において「不動産取引」とは、不動産の売買、交換又は賃貸借をいう。
3 この法律において「不動産特定共同事業契約」とは、次に掲げる契約(予約を含む。)であって、契約(予約を含む。)の締結の態様、当事者の関係等を勘案して収益又は利益の分配を受ける者の保護が確保されていると認められる契約(予約を含む。)として政令で定めるものを除いたものをいう。
一 省略
二 当事者の一方が相手方の行う不動産取引のため出資を行い、相手方がその出資された財産により不動産取引を営み、当該不動産取引から生ずる利益の分配を行うことを約する契約
三 以下省略
4 この法律において「不動産特定共同事業」とは、次に掲げる行為で業として行うものをいう。
一 不動産特定共同事業契約を締結して当該不動産特定共同事業契約に基づき営まれる不動産取引から生ずる収益又は利益の分配を行う行為(前項第一号に掲げる不動産特定共同事業契約若しくは同項第四号に掲げる不動産特定共同事業契約のうち同項第一号に掲げる不動産特定共同事業契約に相当するもの又はこれらに類する不動産特定共同事業契約として政令で定めるものにあっては、業務の執行の委任を受けた者又はこれに相当する者の行うものに限る。)
二 以下省略
5 以下省略
【不動産特定共同事業法3条1項】
不動産特定共同事業を営もうとする者は、主務大臣(一の都道府県の区域内にのみ事務所(本店、支店その他の政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置して不動産特定共同事業を行おうとする者(第三号事業又は第四号事業を行おうとする者を除く。)にあっては、当該事務所の所在地を管轄する都道府県知事)の許可を受けなければならない。
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※本頁は多湖・岩田・田村法律事務所の法的見解を簡略的に紹介したものです。事案に応じた適切な対応についてはその都度ご相談下さい。
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